ルナ・ティレルの夜、静かな星影通りは、ひっそりと優しい光に包まれていました。ミャオ・シルヴァはふわりとした銀色のしっぽを揺らしながら、通りの奥に佇む古書店の扉をそっと開けます。
店内に入ると、かすかに甘い紙とインクの香りが漂い、古い本たちが壁一面に寄り添っていました。窓辺には黄色いランプの灯りがゆらめき、外の夜風が静かに窓を叩いています。
ミャオは小さな手で分厚い棚を丁寧に見て回り、やがて角の目立たない場所に、表紙のほころんだ古い童話集を見つけました。ページをそっとめくると、遠い世界の物語と言葉が静かに語りかけてきます。
物語の間に、ふと耳を澄ませると、外から流れる夜風の音と、店主の淹れるハーブティーのかすかな香り。ミャオは膝にしっぽを巻き、灯りの下で心静かに物語のページをめくり続けました。
「今夜も、この小さな本が、私をどこか優しい場所へ導いてくれる……」
静けさと物語と、月明かりが織りなす大切な夜でした。

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