ふいに雲が厚みを増しはじめた秋の午後、ミャオ・シルヴァは自宅の窓辺で、ふかふかのクッションに体を沈めていました。大きな翡翠色の瞳で空を見上げると、柔らかく薄い光がカーテン越しに部屋へと差し込んでいます。
足元には銀灰色のしっぽがくるんと丸くなり、可愛らしく揺れていました。今日は午前中に市場で手に入れた季節の果物を使って、手作りジャムを煮ることに決めていたのです。
お鍋の中で煮える果物は、すこしだけ甘酸っぱくて、次第に優しい香りが部屋いっぱいに広がっていきます。気まぐれな秋風が時おり窓を揺らし、外の葉音と混じり合って、どこか遠い場所に旅するような音楽になりました。
ミャオはスプーンで混ぜながら、ふうっと短く息をつきます。「……うん、いい感じ」と心の中で思いながら、静かで幸せな夕暮れ前のひとときを満喫しました。

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