風鈴の庭には、やさしい秋の風が吹き抜けていました。頭上にはふわりとしたうろこ雲が広がり、透き通る青空の下、草の香りと甘い金木犀の香りがまじって流れてきます。
ミャオ・シルヴァは木陰のベンチにすわって、膝に大切そうに材料箱を置きました。箱の中には、秋の森で集めた木の実色の布や、どんぐり型のボタン、小さなリボンが優しく並んでいます。しっぽをふわりと丸めたまま、彼女は指先で布をつまみ、ていねいに針を通します。
遠くで風鈴が静かに鳴り、時折、落ち葉がはらりと足元に舞い降りてきました。巾着がひとつ、またひとつと形になるたび、その小さな出来映えにミャオの耳がぴくぴくと嬉しそうに動きます。
午後の柔らかなひかりと、秋の日差しに包まれた静かな手仕事の時間。小さな幸せが、ゆっくりと完成する巾着袋のなかに、そっとしまわれていくようでした。

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