風鈴庭園に入り込むと、そよそよと優しい風がミャオのしっぽと耳をくすぐり、庭いっぱいに並ぶ風鈴が小さくしあわせそうに歌い出します。
銀灰色の毛並みをやわらかな光が撫で、草花の甘やかな香りがふわりと鼻先をくすぐります。ミャオはひときわ澄んだ音を鳴らす青い風鈴の前で足をとめ、そっと両手で包みました。
「どんな風が、こんな綺麗な音を運んでくるのかな…?」
ベンチに腰かけると、空を渡る淡い雲のうしろからやわらかい光が差し込みます。穏やかな午後、小さな風鈴の音色が心の奥まで響きわたり、ミャオは目を細めて静かな感謝とともに風景を胸いっぱい吸い込みました。
時折しっぽがぴくりと跳ねて、すこし頬がゆるみます。「今日も、この世界はやさしいな」そんな気持ちがふわりと込められていました。

コメント