11月03日 20:26 月夜のあたたかなパン

銀色の月が屋根の上で静かに輝く夜、ルナ・ティレルの小路にはふんわりとパンの香りが漂いはじめました。

ミャオ・シルヴァは毛布からそっと抜け出すと、ふわふわのしっぽを揺らしながら、小さなかごを片手に家を出ました。夜の風はやさしく肌を撫で、闇に溶けるような静けさのなか、窓からこぼれる暖かな明かりや、パン屋さんのほのかな灯りが安心をくれます。

角を曲がると、パン屋の扉の隙間からバターと焼きたて生地のいい匂い。ミャオは思わず耳をぴくりと動かし、心もお腹もくすぐられるようでした。「こんばんは」と小声で挨拶すると、パン屋さんがにっこりとミャオに手渡したのは、ほんのり温かい丸パン。黄金色の皮がつやつや光っていて、鼻先でそっと香りをかいだら、幸せな気持ちが胸いっぱいに広がりました。

帰り道、パンの袋を胸に抱えたまま、ミャオはひとつうっとりとため息をつきます。しっぽがほろりと揺れて、冷たい夜の風にも、こんなぬくもりひとつで心まであたたまるのだな、と感じるのでした。

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