古い桜の木の下、しっとりとした夜の空気がふわりと漂っています。枝先には、ほんのり蕾が膨らみはじめた小さな花たち。雲の合間からこぼれるほそい月明かりが、やさしくミャオ・シルヴァの銀の毛並みを照らします。
遠くで町の灯りが揺れ、そっと風がしっぽをなでてゆきます。まだ咲かぬ桜の甘い予感と土の優しいにおい、ぬるんだ空気が「もうすぐ春ですよ」と小声でささやくようです。
ミャオは木の根元にすわり、耳をぴくぴく動かして静かな音を探します。短い鳥の声、時折り葉がこすれる音。そして自分の心臓の音まで、くっきりと聞こえてきました。すべてがやさしく、夢みたいに心地よい夜でした。

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