ミャオ・シルヴァは、ふわりと尻尾を揺らしながら夏祭りの広場を歩いていました。
夕空はやさしい群青色に染まり、街じゅうの軒先に吊された灯篭がひとつずつ静かに明かりを灯します。ほの温かなオレンジ色の灯りの中、うっすらと甘い菓子や炭火の香りが風に乗って流れ、笑い声や木琴のやわらかな音色が遠くから届きます。
ミャオは並ぶ屋台をそっと見て回り、ガラス作りの小さな風鈴に耳を傾けたり、きらきら光る飴細工のお店をしっぽを立てて興味津々に覗きました。頬に夜風を感じながら、今日はちょっぴりだけ人ごみの中を歩くのも、ごきげんな気分なのです。
ふと足を止め、ひときわきれいな灯篭の灯りを静かに見上げると、うっとりと息をひそめて、小さな幸せが胸いっぱいに満ちていきました。

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