窓の外、濡れた石畳を掌でなぞるかのように、朝の雨が優しく流れていました。ミャオ・シルヴァは、月読通りにある小さなカフェの窓辺にそっと腰かけ、しっぽを椅子の足にくるりと巻きつけます。
ふわりと漂う焼きたてパンの香ばしさと、ほんのり甘いハチミツ入りハーブティーの湯気。窓ガラスについた小さな水滴をぽんぽんと指先でなぞりながら、雨音に耳を澄ませます。カフェの中は静かで、カップの中のお茶と窓辺の雨粒だけが、ときどきほんのり音を奏でます。
外の世界はやさしくぼやけ、通りすがりの人たちが色とりどりの傘をゆっくり進めていました。朝の雨の日は、いつもより心が柔らかくなるようで、ミャオの大きな翡翠色の瞳もほんの少し潤んで見えます。
ハーブティーを一口ふくんで、ミャオは満足そうにしっぽをひとゆらし。雨の日のぬくもりが、静かな朝のごちそうになりました。

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