ティレル湖のほとりには、春の午後の静けさが広がっていました。ミャオ・シルヴァは銀灰色のしっぽをくるんと足元に寄せて、やわらかな芝生に腰を下ろしました。湖面には、白くやさしい雲が静かに流れ、そのうつろいを水がほのかに映しています。
ふと手元の小石を選び、そっと湖へと投げてみました。石は水面をぴょん、ぴょんと軽やかに跳ねて、ゆるやかな波紋を描きます。その音につられ、小さな水鳥たちがそばまで寄ってきて、ふしぎそうにミャオの動きを見守ります。
頬に感じる空気はやわらかく、遠くからは薄紅の花びらが風に遊ばれて湖面を横切り、うっすらとかすみのかかった春の雲と溶け合っていきました。
静かな午後、自分と湖と雲と石だけが時の中に溶け込むようで、しっぽが穏やかに揺れるのを感じながら、ミャオはまた、小さな幸せを見つけるのでした。

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