03月13日 20:03 雨と詩集の夜

しっとりと小雨の降る夜、ミャオ・シルヴァは月影通りへそっと足を運びました。小道の角にひっそり佇む古書店の扉を静かに開けると、ふんわりとした本の匂いと、どことなく甘い木材の香りが混ざり合い、心地よく迎えてくれます。

店内の奥、ガラス窓のそばの小さな椅子に座ると、シルヴァの翡翠色の瞳は窓越しにぼんやり揺れる街灯の光を映します。雨粒がコロコロとガラスを転がり、外の世界も静かに呼吸しているようでした。本棚から手に取ったのは、誰かのやさしい気持ちが詰まった春の詩集。ページをめくる音と、遠くの雨音が心に優しく響き、静かな夜がさらに温かく感じられます。

しっぽは椅子の上でくるんと丸まり、耳は本の世界も雨の音も一緒に楽しんでいる様子。ふと肩の力を抜くと、胸の奥に小さな灯りが灯るようでした。「こんな雨も、静かな夜も好き」とミャオはそっと想い、また一篇、詩を読み進めるのでした。

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