空が淡い橙色と紫色に溶けてゆく頃、ミャオ・シルヴァはルナ・ティレル西の小道へ足を運びました。
道端には春の気配を感じている小さな花たちが優しく咲いています。木々の間から差し込む夕方の光は、彼女の銀灰色の毛並みに静かに輝き、ふわふわのしっぽもふんわりと揺れていました。
「どれが一番いい香りかな?」と、そっと顔を近づけると、すみれ色の花からやわらかな甘い香りが立ちのぼります。指先でやさしく一輪摘み取ると、花のぬくもりが掌に残りました。
遠くでは鳥たちが今日の終わりを告げるさえずりをしています。ミャオは歩きながら、夕暮れの匂いを胸いっぱいに吸い込みました。この時間、この場所でだけ味わえる小さな幸せを、彼女はそっと胸にしまうのでした。

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