03月20日 19:05 風鈴の庭に初春の音

風鈴庭園は、昼間の賑わいから少し静けさを取り戻していました。ミャオ・シルヴァは庭の奥にある、小さな木陰のベンチに腰かけていました。春の日差しはすっかり落ちて、空には僅かな藍色が広がり始めています。遠くの山際がまだ淡く染まり、すぐ頭上には夜の帳が柔らかく降りてきています。

風がそっと吹くたび、たくさんの風鈴が一斉に揺れ、澄んだ音色が庭を包みます。その音は春の夜の初めとともに空へ溶けていくようでした。ミャオは耳を少しぴくぴく動かして、頬を撫でる夜風を感じます。しっぽもしっとりと静かに揺れて、春の香りや遠くの花の気配をふんわりと受けとめていました。

庭園からは町の明かりがちらちらと見え、花の影が風に合わせて揺らめきます。ミャオは小さく息を吸い込んで、そっとつぶやきました。「今日も、いい音だな…」やさしい風鈴の音が、静かな夜の始まりを穏やかに祝福してくれているようでした。

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