月読通りの石畳は、暮れかけた冬の空の下でほんのり色を変えていました。軒下に揺れる小さな鈴飾りが、時折やさしい音色を響かせます。ミャオ・シルヴァの銀灰色のしっぽは、どこかそわそわと揺れていました。
通りのあちらこちらから漂ってくるのは、お正月を迎える準備のにぎやかな声とお餅の甘い香り。ふわりとした曇り空でも、なんだか街全体が明るく感じられます。シルヴァはふと思い立ち、馴染みの和菓子屋さんの扉をそっと開きました。
店内には、ふかふかのした猫の形をした最中や、小さな苺大福が並び、ミャオは目を輝かせます。優しい店主が「もうすぐ新しい年が来るね」と微笑み、出来たての温かいお饅頭をひとつ手渡してくれました。
外へ出て、ほんのり甘い香りのお饅頭を手に、雲の切れ間から差した一筋の光を見上げるシルヴァ。心の奥に、静かな期待が小さな花のように咲いていくのでした。

コメント