09月08日 09:31 朝のクロワッサン

ルナ・ティレルの朝は、澄んだ青空にやわらかなひかりが差し込み、石畳の街並みに清々しい空気が満ちていました。ミャオ・シルヴァは毛布からゆっくり起き出すと、お気に入りの毛糸のマフラーを首に巻いて街へ歩き出します。

角を曲がると、朝焼けに染まるパン屋さんの店先から、あたたかなパンの香りがふわりと鼻先をくすぐりました。大きな翡翠色の瞳を輝かせて、ミャオはショーケースに並ぶさまざまなパンをじっと見つめます。

とくに気になったのは、できたての小さなクロワッサン。焼きたてのきつね色がとても愛らしく、ころんと手にのせるとほんのり熱が伝わってきます。耳をぴくぴくさせながら、ミャオはパン屋のおじさんに「おはよう」と小さな声で挨拶すると、クロワッサンを嬉しそうに抱えて店を出ました。

外のベンチに座り、朝陽を浴びながら一口かじれば、ぱりっとした表面と、ふんわりやさしい中身。焼きたてのあたたかさに、しっぽがふわりと立ちました。

それは、秋の始まりの朝の、小さな幸せでした。

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