ルナ・ティレルの街並みがそっと夕暮れ色に包まれるころ、西端の小さな祠はやわらかな光に照らされていました。
ミャオ・シルヴァは静かにその前に立ち、鮮やかな色の短冊を両手でそっと撫でます。おっとりとしたしっぽが夜風を受けてふわりとはね、耳は小さな祈りの音に反応してぴくぴくと動いていました。
短冊には今日感じた小さな幸せをそっと綴り、ほのかな灯りの下に吊るします。その瞬間、祠のまわりをやさしい夏の夜風が包み、どこからか甘いハーブの香りが運ばれてきました。
空は薄紅色から藍色へとそっと移り変わり、静かに灯る灯火が、これから夜を迎える町とミャオの願いをやさしく見守っていました。

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