「雲の見晴らし坂」は町から少し歩いた草原の高台にあります。夏の午後、空は遥か高く、真っ白な入道雲が風に流されながら広がっていました。
ミャオ・シルヴァは毛布を広げ、小さなお弁当包みを膝の上にのせて、ゆっくりと雲の形を眺めていました。雲は日差しを受けてふわふわと輝き、ときどき動物や花の形に見えたりします。
やさしい夏風が頬を撫で、背中のしっぽがついついぴょんと跳ねてしまいました。ミャオはおにぎりをひとつ取り出すと、しゃりしゃりと音をたてて頬張ります。
遠くでヒバリが歌い、小さな木陰には風が通り抜けていきます。
「今日はどんな雲が流れていくのかな…」と、ひとりごと。自分だけののんびりとした夏の午後が、静かに過ぎていきました。

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