パン屋の裏手に隠されたように佇む、小さな石畳の中庭。ミャオ・シルヴァはふわふわのしっぽを丸めて、ベンチに腰掛けていました。
開け放たれたキッチンの扉からは、焼きたてパンの香ばしい匂いが優しく流れてきます。ミャオの鼻先は幸せそうにひくひく動き、耳がくすぐったそうにぴくぴくしました。静かな夏の夜、頭上には星々が穏やかに瞬き、風はほんのりと涼しく、後ろ髪を優しくなでていきます。
町のざわめきも遠く、焼きたてパンが並ぶ音や、パン職人さんの低い声がときおり聞こえます。ミャオはパンをひとかけ口に運び、ふわりとした感触と温もりに安らぎました。星空に向かって、心の中で「ありがとう」とそっとつぶやきます。
焼きたてパンと夜の静けさ――それだけでミャオの胸は不思議と満たされていきました。

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