夏の午後、突然降りだした夕立は、ルナ・ティレルの街をしっとりと包み込みました。やがて雨は静かにやみ、空にはまだ淡い雲が流れています。
ミャオ・シルヴァはふわふわの銀灰色のしっぽをそっと揺らしながら、濡れた石畳を歩いて風鈴の庭へ向かいました。風鈴の庭には、色とりどりの風鈴が木の枝や軒下に下がり、風に揺れては涼やかな音色を奏でています。雨上がりの苔はしっとりと緑を濃くし、ほのかにミントや土の香りがただよっていました。
ミャオは柔らかな苔の上にそっと腰をおろし、耳としっぽをぴくぴくと動かしながら、風と風鈴の響き、それに鳥たちのさえずりを静かに感じていました。雨粒が風鈴をすべり落ちる音や、葉から滴る水の音が、静かな調和としてミャオの心にやさしく響きます。
「…わぁ、いい音…」
そうつぶやいたミャオの瞳は、夕立の名残を映しながらきらきらと輝いていました。

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