ミャオ・シルヴァは、ふんわりと揺れる銀色のしっぽを小さく揺らしながら、月読通りへ向かいました。まだ朝の名残の霧が小径に漂い、町並みをやさしく包みこみます。曇り空の下、石畳はしっとりと湿り、秋の香りが静かに広がっていました。
雑貨屋さんの軒先には、葉っぱや木の実で飾られたリースたちが並んでいました。ミャオはひとつひとつ手に取って、赤い実のついたものや栗色のリボンのものをそっと指で撫でます。その指先に、朝露の冷たさとリースの柔らかな香りが伝わりました。
店内に入ると、棚の隅には新しい秋色の毛糸玉がいくつも並んでいます。翡翠色の大きな瞳を輝かせて、ミャオはどの色にしようか迷いました。毛糸の質感を確かめている間、外からふわりと霧が流れ込み、やさしい静けさに包まれて、今日も新しい物語が生まれそうな予感がしました。

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