夜の帳が静かにルナ・ティレルを包みこむ頃、ミャオ・シルヴァは自宅のベランダでそっと毛布を膝にかけていました。片手にはお気に入りのハチミツ入りハーブティー。湯気がふんわり立ち上り、控えめな甘い香りがほっと心を解きほぐします。
空には、流れる雲の隙間からやわらかな月明かりが降り、町の屋根や草原を静かに照らしました。遠くからカエルの歌や風に擦れる葉音が運ばれ、ミャオのしっぽもご機嫌そうにふわりと揺れています。
少しひんやりした夜の風が、銀灰の毛並みにそっと触れるたび、草の香りやきれいな夜気が、ミャオの日中の疲れを優しく包みます。「今日も静かでよかったな」と心の中でつぶやきながら、ひと口、あたたかなハーブティーを味わいました。
何も特別なことが起こらない夜。でも、それがいちばん嬉しいこと。ゆっくりと流れる時間に身を預けて、ミャオはしあわせそうに、ただ空を見上げていました。

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