03月01日 15:59 霧の丘で春をさがして

春が上ってくる午後の霧の丘には、まだ眠そうな淡い霧がゆらりと草花を包んでいました。

ミャオ・シルヴァは銀灰色のしっぽを静かに揺らし、ふかふかの足取りで丘の斜面をたどります。一歩ごとに、しっとりとした空気と、芽吹きはじめた若草の甘い香りが鼻先を優しくくすぐりました。

耳に静かな風のざわめきが響いて、どこか遠くで風鈴のようにカラスの声が聞こえます。足元にはまだ小さな黄色の蕾。それをそっと眺めると、心にゆっくりと嬉しさが広がりました。

手のひらで小さな草花にそっと触れ、「こんにちは」と微笑んでみるのです。世界の優しい目覚めの音が、春の霧に溶けていく午後でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました