ティレル湖を見下ろす高台まで、坂道をのんびり歩いていきました。冬の名残りが残る空気のなか、ミャオ・シルヴァはお気に入りの手帳と色鉛筆を持参しています。
湖面は陽射しを跳ね返し、まぶしいほどにきらきらと輝いていました。遠くから聞こえるカモメの声と、時折ふわりと運ばれてくる南風。そのたびにミャオのしっぽがそよそよ揺れます。
ベンチに座ると、頭上の枝先には小さな新芽がのぞいていました。春がすぐそこまで来ているのでしょう。ミャオは静かに手帳を開いて、湖と小さな芽をそっとスケッチ。
色づきはじめた世界の一切れとやさしい空気を、一枚の紙に描きとめました。風の音にも鳥の声にも包まれて、心が穏やかに満たされてゆきます。

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