霧の丘は、やわらかな光に包まれていました。
ミャオ・シルヴァはピクニックシートに座り、そっと膝に広げた羊毛フェルトの材料を手に、小さな猫の人形をつくっています。丘の上を流れる空気は、少し湿り気を帯び、ひんやりと冬の香り。「ザク、ザク」と静かに針が羊毛を刺す音だけが、遠くで響くカラスの鳴き声と混じりあい、やわらかい雲の下、時間がほぐれていきます。
手を休めてふと顔をあげると、うっすらと霞んだルナ・ティレルの街並みが遠くに見えました。沈みかける日差しに照らされて、ガラス細工のようにきらきらと光る屋根、遠くの教会の鐘の音もしずかに漂っています。しっぽをふわりと巻きながら、ミャオは「うん、いい感じ…」と小さく呟きました。
ひと針ひと針、温かなものがうまれる静かな午後。冬の丘に、やさしい時間が流れていました。

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