朝の月読通りには、冬の透き通った光が細やかに降りそそいでいます。ミャオ・シルヴァは焼きたてのクロワッサンを両手で包み、ふんわりとした香りと温もりを楽しみながら、石畳の道をひと足ずつ踏みしめてゆきます。
通り沿いには雪色のビオラや、赤く実ったナナカマドが、寒さにも負けず小さく鮮やかに咲き誇っています。ミャオの大きな翡翠色の瞳は、そのひとつひとつを宝もののように追いかけて、しっぽが時おりうれしそうに揺れました。
とある軒先で、ほこりっぽい冬干しのリボン草が風に揺れているのを見つけ、ミャオは立ち止まって深く息を吸いこみました。パンのあたたかさと、花や草のほのかな香りが混じり、朝の静けさに心がふんわりと包まれるようです。
「今日もいい一日が始まるなぁ」と胸の内でつぶやきながら、ミャオ・シルヴァは通りの先に見えるきらりと光る街灯を見上げ、小さな一歩をまた踏み出すのでした。

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