霧雨が静かに舞う朝、ルナ・ティレルの街角は淡い靄に包まれていました。街の新しい雑貨屋『星影のかけら』に足を踏み入れると、ほのかなレモンバームの香りがふわりと広がります。
ミャオ・シルヴァは、しっとりと濡れた銀灰色の毛並みを軽く払いながら、壁一面に並ぶガラス細工の小物たちを眺めました。光の粒を閉じ込めたような透明な小鳥や、月の涙を模したペンダントが静かに輝いています。
指先でそっと小さな星形のガラスを撫でると、細やかな音が響き、耳がぴくりと動きます。外の靄に隠れながらも、雑貨屋の窓から射し込むやわらかな光が、ガラス越しに色とりどりの世界をつくっていました。
「きれいだね…」と、ミャオは静かに心の中でつぶやきました。その瞬間、一つのガラス星がふわりと光を返し、まるで小さな奇跡のような朝となりました。

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