月読通りの本屋は、朝の澄んだ光に包まれていました。扉をそっと開けると、どこか懐かしさの残る木の床が優しく軋み、奥からパンとシナモンの甘い香りが鼻をくすぐります。ミャオ・シルヴァは足音をふんわり忍ばせて、小さな棚に並ぶ童話集の背表紙をひとつずつ眺めました。
きらきら揺れる木漏れ日が、本のページを明るく照らします。しっぽが気持ちよさそうに揺れると、耳もぴくぴくと踊ります。今日は新しいお話をひとつだけ選ぼう――そう心に決めて、銀色の手を伸ばし、とびきり素敵な装丁の童話集をそっと手に取りました。
ページをめくるたび、ほのかな紙の香りと甘い空気が混じり合い、静かな本屋はまるで夢の森の入口のよう。ミャオ・シルヴァの心は、ほんの小さな幸せでいっぱいになりました。

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