朝のルナ・ティレルは、やわらかな雨音ではじまりました。
ミャオ・シルヴァは少しだけ寝ぼけ眼のまま、ふわふわのクッションを窓辺に積み上げて、そこへそっと体をしずめます。外は静かな灰色の世界。雨粒が窓を叩いては、淡い水の線を描き出していました。
彼女はしっぽの先で曇った窓ガラスをくるりと撫で、小さなハートやうずまきを描くのが朝のたのしみ。ミルクティーからは、ふんわりハチミツと紅茶の香りが立ちのぼり、温かな湯気が鼻先をくすぐります。
雨の匂いと優しい飲みものの温もりに包まれて、ミャオの耳は心地よさそうにぴくり。曇り空の向こうでは、今日も何か小さな幸せの兆しが待っているような予感がしました。

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