ルナ・ティレルの町はしとしとと静かな小雨に包まれていました。ミャオ・シルヴァはふわふわの銀のしっぽをゆっくり揺らしながら、町のはずれにある小さなモスグリーンの小道を歩きます。耳には雨粒の音がやさしく響き、空気にはしっとりとした土と青い苔の香りが広がっていました。
石畳のあいだから顔を出す小さな黄色い花や、じゅうたんのように広がる苔に目をとめて、ミャオはそっとしゃがみ込みます。雨粒が苔の上にまあるい玉をつくり、それがころりと転がると、ミャオの大きな翡翠色の瞳に小さな虹色が浮かびます。
心は穏やかで、世界がほんのり柔らかく感じられました。「雨粒って、こんなにきれいなんだな…」
ミャオは石に手を添えて、苔の感触を指先で味わいます。濡れながらも生き生きとした緑に「うん、いい感じ」と静かに微笑みました。外の静けさと雨の音が、やさしく彼女を包んでいました。

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