ミャオ・シルヴァは、銀灰色のしっぽを揺らして月読通りへ向かいました。
今日は月に一度だけ開かれる青空マーケットの日。石畳には秋の陽ざしが斑に落ち、小さな屋台が並びはじめます。ミャオは自分で縫った小さな布袋をそっとカゴに入れて、マーケットの片隅へ並べてみました。
心地よい秋風が、やさしい草の香りをさらりと運んできます。布袋には、友だちのパン屋さんが焼いたばかりのクッキーをひとつしのばせました。通りかかったおばあさんが立ち止まり、「まあ、かわいらしいこと」とにっこり。
ミャオはちょっぴり恥ずかしげにしっぽをピョンと跳ねさせながら、「よろしければ、おひとつどうぞ」とそっと手渡しました。
小さな交流が、秋の空の下、静かにはじまりました。風に揺れる布袋と、石畳にこぼれる陽の光が、とてもやさしく感じられる朝でした。

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