朝の光が広場をやさしく照らします。ルナ・ティレルの中央広場には、色とりどりの果物や焼きたてのパンが並ぶ小さな屋台が軒を連ね、賑やかな声と笑顔があふれています。
ミャオ・シルヴァはふわりとした尻尾を弾ませながら、ひとつひとつの屋台をそっとのぞきこみました。杏の香りが漂うかごや、煌めくジャム瓶。パン屋さんの角では、まだ温かいクロワッサンが山になっています。指でそっと触れてみると、じんわり温かい。
ふと、布細工の小さなブローチに目が留まりました。お花や猫の模様、朝の光を受けて優しく輝いています。お店のお姉さんと微笑みを交わしながら、ひとつをそっと手に取ると、シルヴァの耳が嬉しそうにぴくぴく揺れました。
広場の石畳には、八月の陽射しと夏草の匂いが広がっています。のどかな朝の空気の中で、小さな発見と幸せをポケットに詰めて、シルヴァはゆっくり歩いていきました。

コメント