霧の丘には、昼と夜のあいだの優しい魔法が満ちています。日が落ちきっていない薄暮の頃、ミャオ・シルヴァは長いしっぽを揺らしながら、丘をゆっくりのぼりました。ひんやりとした霧が足元を包み、遠くから草の香りがそっと流れてきます。
丘の上に着くと、野の花がしずかに揺れていました。月明かりと霧が重なり、花たちは夢の中のように淡い色をまといます。ミャオは一輪ずつ丁寧に花を摘んで、小さな花束にしました。風がそよいで、耳がピクピクと気持ちよさそうに動きます。
ときおり、丘の下から町の明かりがぼんやり見えて、静かな夜のはじまりを告げていました。ミャオは摘んだ花を胸に抱き、深く息を吸いました。霧と草のかおり、遠いカエルの声。それら全部が、この時間だけの静けさと一緒にミャオをそっと包んでくれるのでした。

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