07月15日 19:17 灯りとパンの香りの夜

路地裏の石畳は夜の静けさに包まれていました。ミャオ・シルヴァは、焼きたてパンの香りがふわりと流れてくるパン屋の裏手にある小さなベンチに腰掛けます。家々の窓には、柔らかい灯りがぽつぽつと灯されていて、あたたかな光の粒が、暮れゆくルナ・ティレルの空気をほんのり照らしていました。

やさしい夜風が耳を撫で、しっぽが自然とリズムを刻みます。パン屋の窓からは、まだ誰かが片付けをしている気配や、カップを重ねる音が聞こえてきます。ミャオはふわりと息をつき、静けさの中に溶け込むように目を細めました。

「こんな夜も、いいなあ」

パンの香りと灯りの隙間を漂う、穏やかな時の流れの中で、ミャオは小さな幸福を両手でそっと抱え込むのでした。

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