07月12日 18:47 夏宵の音楽会

木々の葉先が夕日に輝くころ、ルナ・ティレルの中央広場には、やさしい音色が流れていました。ミャオ・シルヴァは、ふわふわの毛並みを夕風に撫でられながら、広場の石畳にそっと腰を下ろします。舞台の上では、小さなヴァイオリンを奏でる青年と、笛を吹く少女が、夏の夜の始まりにぴったりな曲を奏でていました。

ミャオの耳は音に合わせてぴくりと動き、しっぽも嬉しさがこみ上げてぴょんと跳ねてしまいます。空は、遠い山並みに沈んでいく夕焼け色から深い青紫へと移り変わり、町の灯りが一つ、また一つと灯ります。心地よい音楽とさわやかな風が、今日一日の疲れを静かにほどいてくれるようでした。

観客の中には、パン屋さんや、湖の見張り塔の番人さんの姿も見えます。それぞれが夏の宵を楽しみながら、やさしい笑顔を浮かべていました。ミャオはそっとつぶやきます。「今日も、素敵な夜だなあ…」

そのまま毛布にくるまれたような穏やかな心で、夜の音楽会は静かに続いていきました。

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