03月30日 15:06 霧の丘の春冠

霧の丘は、やわらかな白い霞にそっと包まれていました。静かな午後、ミャオ・シルヴァは丘の上へ歩いていきました。耳としっぽは春霞にぴくぴく揺れて、足元の草の感触をうれしそうに感じています。

道端には、淡い緑のしずく草が、霧のしずくをまとってほのかに光っていました。ミャオはそっと膝をつき、小さな手で一つひとつ摘み取ります。空気は湿ったやさしい香りで満たされ、遠くで鳥のさえずりだけが響いています。

ふわふわのしずく草を手のひらに集め、シルヴァは丁寧に指先で編み始めました。春の冠は、彼女の翡翠色の瞳に美しく映り、銀灰の毛並みに溶けこみます。

霞の向こうには街の屋根がぼんやりと見え、日差しは淡く優しく世界を包んでいます。この静かな時間、ミャオは自分だけの春を頭にのせて、新しい季節の息吹をゆっくり味わうのでした。

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