ミャオ・シルヴァは、やわらかな曇り空の下、月読通りにゆっくりと歩みを進めました。春の訪れに合わせて、町の雑貨屋の窓辺には鮮やかなリボンが並んでいます。銀灰色の毛並みに淡く光が射し、翡翠色の瞳がきらりと輝きました。
お店の扉を押して中に入ると、心地よい布と木の香りがふんわりと漂います。店主が新しく仕入れたばかりのリボンや布がテーブルいっぱいに広がっていました。ミャオはひとつひとつ、そっと指先で布の手触りを確かめます。ひらりと揺れるリボンのやさしい色合いに、しっぽが嬉しそうにぴん、と立ちました。
「この青、春の湖みたい」と小さくつぶやくと、店主も微笑んで「風に揺れる空の色みたいですよ」と返します。ふたりで静かに新しい布の香りや、春らしい色の話を重ねていく時間は、とても穏やかで、ミャオの心もじんわりと温まっていきました。
外は曇り空でも、春の新しい色が心にぽっと灯る、やさしいひとときでした。

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