霧の丘の斜面を、ミャオ・シルヴァは小さな足音で歩いていました。夜の余韻がまだ地面に漂っていて、うすく霧が丘全体を優しく包み込んでいます。肌に触れる空気はひんやりとしていますが、時おり鳥のさえずりが澄んだ音色となって丘の上から届きます。
ミャオはしっぽをゆったり揺らしながら、足元に咲く小さな野の花をひとつひとつ見つけては、そっとしゃがみます。霧のしずくが花びらにきらりと光をまとい、まるで朝の宝石のようです。
草の匂いや土のにおいが静かに広がり、空の向こう側から、ゆっくりと太陽の気配が感じられました。ミャオは耳をぴくりと動かし、霧の中で微かな春の息吹を聞き取ります。何気ない朝の丘だけれど、今日は特別な一日が始まりそうな予感がしました。

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