夜が静かに街を包みこむ頃、ミャオ・シルヴァはルナ・ティレルの風鈴庭園へと足を運びました。
冬の冷たい空気のなか、庭園の道沿いには淡い霜がまるで小さな宝石のように広がり、風が吹くたび、木々に下げられたガラスの風鈴が優しく音色を響かせていました。
ミャオはお気に入りの木製ベンチにちょこんと腰かけ、両手で暖かなハーブティーのカップを包みます。ぽつりと落ちてきたハチミツの香りが、冷たい冬の夜にやさしく溶けていきました。
大きな翡翠色の瞳で星降る空を見上げると、しっぽがほんのりぴょんと跳ねます。風鈴の音、夜気、ハーブティーの甘い香り――どれもミャオにとって大切な冬の夜の贈りものです。
「…うん、静かでいいな」
そうひとりごちて、今夜も小さな幸せをそっと抱きしめるのでした。

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