柔らかな夜の霧が、丘全体をふんわりと包み込んでいました。ミャオ・シルヴァは長いしっぽをマフラーのように膝にかけ、そっと座ります。
静かにゆれる霧の中、街の灯りはぼんやりとした黄色の粒となって、遠くからやさしく輝いて見えました。冷たい空気がほほをくすぐり、ひとつ深呼吸すると、土と冷えた葉の香りが胸いっぱいに広がります。
どこからともなく小さな虫の羽音が聞こえ、足元の草は夜の露をたたえ、光を受けてわずかにきらり、と光りました。ミャオは耳をぴくぴくと動かし、霧の静けさと、少しだけ遠くの世界の気配を感じます。
この静かな時間に包まれていると、不思議と心が落ちついて、小さな幸せがそっとひとつ、胸の奥で灯るようでした。

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