並木道の木々は黄金色を帯び、日が傾きはじめると、リンゴの幹や枝には長い影が伸びていました。
ミャオ・シルヴァは、ふわりと揺れる銀色のしっぽを見つめながら、今日は西側のリンゴ並木道までそぞろ歩きをしていました。風はとても穏やかで、空気には少し冷たさが混じりますが、微かな甘い香りがずっと漂っています。葉の隙間からこぼれる夕陽が、銀灰色の毛並みにやさしく溶け込みました。
ころん…と足元に転がってきた小さな赤い実を拾い上げ、そっと両手で包みます。「わぁ…」ひとりごとをこぼしながら、そのリンゴは指の中でかすかに温もりを持っていました。並木道では、時折小鳥が実をつつき、遠くで誰かの笑い声が静かに響きます。その度、ミャオの耳がぴくりと動き、柔らかな気持ちが胸にゆっくり広がりました。
日が西に傾くたび、並木道は少しずつ静かになっていきます。今日も良い一日だったな、と心の中でそっと囁きながら、拾った小さなリンゴを胸元に抱えて、家へ帰る足取りは少しだけ軽くなりました。

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