雨粒がぽつり、ぽつりと石畳を打つ静かな夜。ミャオ・シルヴァは銀色のしっぽを小さく丸めて、手に持つランタンのやわらかな明かりを頼りに、月読通りをゆっくり歩いていました。
通りの両側に並ぶ家々の窓からは黄金色の灯りがもれて、時折ガラスに雨粒がきらきら跳ねます。雨の匂いと、肌をやさしく撫でる夜風が世界を静かに包み込み、シルヴァの耳も自然とぴくんと動きます。
傘の代わりにふわふわのマントをはおり、長いしっぽが時おり水たまりに映る街灯の光をすくい上げました。心地よい雨音に耳を澄ませると、夜の町もまた、やさしい魔法で満ちていることに気づきます。
シルヴァは足を止め、しばし雨に濡れる花壇の小さな花にそっと手を伸ばしました。ひんやりした花びらの感触と、あたたかなランタンの灯りに包まれながら、静かな帰り道を静かに楽しむのでした。

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