雨粒がそっと窓ガラスをたたく午後、ミャオ・シルヴァはふわふわのしっぽを丸めて、古い図書室の窓際に座っていました。
外の音も、周囲の静けさも、すべて優しい音楽のように聞こえてきます。遠くで本棚をめくる音、床のきしむ音、そして雨のしずくが葉をすべり落ちる細やかなリズム。
ひざにひらいたのは、ページの端がほんのり黄ばんだ童話集。知らない言葉や遠い国の物語が、やわらかい雨の匂いと混ざって胸に染みてきます。時折、緑色の瞳がページから窓の向こうへと向かい、しっとりとした庭の草や花が雨に揺れる光景を眺めては、ミャオはちいさくため息をひとつ。
「雨の日は、どんな魔法より心があたたまる」
絵本の森と雨のリズムに包まれながら、銀色の耳としっぽは静かに、けれど嬉しそうにふるえていました。

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