ミャオ・シルヴァは、夏の涼しさを求めて月読通りの先にある古い時計塔まで歩きました。空にはふんわりとした雲が流れ、太陽の光は優しく遮られています。時計塔の足元には、青いアサガオが静かに咲き、そよ風に揺れていました。
石造りの小道に座り、ミャオは周囲の音に耳を澄まします。時計の針が時を刻む鈍い音や、どこか遠くから響くパン屋の鐘の音、子どもたちの笑い声が夏の午後に溶け込んでいきます。
しっぽをゆらりと揺らしながら、ミャオは目を閉じて深呼吸しました。アサガオの淡い香りと、少し湿った夏の空気が一緒に鼻先をくすぐります。「みんなの暮らしが、ここに重なっているんだな」と、ミャオはそっと思うのでした。
やがて空の雲が薄れ始め、やわらかな日差しが時計塔の屋根を照らします。ミャオは立ち上がり、静かに帰り道を歩き始めました。今日の午後に感じた音や香り、そして小さな幸せを、心のなかでそっと包み込むようでした。

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