パン屋のテラスはオレンジ色の夕映えに包まれていました。ミャオ・シルヴァはお気に入りのふかふか椅子に腰かけ、まだ温かな焼きたてパンと、香り豊かなハチミツ入りハーブティーをそっと手に取ります。
町を染める夕焼け雲が、窓越しにやさしく揺れ、通りには幼い声や小鳥のさえずりが残っています。ほんのりとした甘い香りとパンの香ばしさが、しっぽの先までやさしく包みます。
心地よい風が頬をなで、銀灰色の耳がふわりとそよぎました。はむ、と一口パンをかじって見上げれば、空には金色に染まる雲が静かに流れていきます。暮れていく街のざわめきも、どこかやさしく胸に響きます。
「今日も、いい一日だったなぁ」
ミャオ・シルヴァはそっと目を細め、しっぽの先をぱたん、と満足げに揺らしました。

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