07月14日 15:28 夏草と風の丘で

霧の丘の斜面を、ミャオ・シルヴァはひとりで歩いていました。

淡い夏の光が丘の草花にそっと降りそそぎ、銀灰色のしっぽが草の先に軽く触れます。ひんやり心地よい風がそよぎ、耳の先がくすぐったく揺れました。丘の向こうから、やわらかな鳥の声が聞こえてきて、そのたびミャオの大きな翡翠色の瞳がほころびます。

しゃがみこみ、指先でクローバーや野の花の感触を確かめると、夏草の匂いがふんわりと広がります。遠くには町並みがぼんやり霞み、時折、花びらが風に舞って頬をなでていきました。

「いい香りと、いい音…」ミャオはぽつりと小さくつぶやき、小さな幸せに胸を膨らませながら、ゆっくりと午後の丘を楽しみました。

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