月読通りは夜になってもほんのり明るく、オレンジ色の灯りがそっと街路樹を照らします。ミャオ・シルヴァはお気に入りの手提げを抱え、街角のベンチに腰をおろしました。
空気にはハーブとパン屋の甘い香りが微かに混じり、時折、ふんわりした夜風が耳としっぽを優しく撫でていきます。そのたびにしっぽがふわふわ揺れてしまいます。
今日は小さな羊毛フェルトの動物たちを作る日。針とふわふわのフェルト玉を手に、ミャオは夢中でチクチク。ベンチの明りのもと、白いウサギや草原色の鳥が少しずつ形になってゆきます。
街灯の光の下では羽根のような虫がくるくる踊っていました。その光景を眺めながら、ミャオの手元にも小さな命が宿るような、不思議なあたたかさが満ちていきます。
夜の静けさと、街のやわらかなざわめきが、羊毛フェルトの作品にそっと染みこむ夜でした。

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